萌え萌えクロニクル

おふざけ ツイ(@HOSHI_NO_SHIHO)

一日10分から始められる最速イラスト上達法

みなさんはイラストを上手くなりたいと思っていますよね。というわけで今回は人並み以上に上手いともてはやされている私がここまでの画力を身につけた方法書いていきます。

見てトレース

まず特に機材とかまっったくいらない上達法は誰かの絵を見てそれをそのまま別の紙やキャンパスに書き写すことです。最初は元の絵の線を書き写すだけで大丈夫です。

しかし書き写していく中である程度すると課題にぶち当たることがあると思います。段階ごとの課題の解決法とそのケースを3段階にわけて紹介します。

今回己のイラスト初心者に模写させた元絵はこちらの画像になります。かわいいですね。

基本的に時間を決めてやりましょう。最初は1時間とかでいいですが、次第に時間を短くしてみたりするといいかもしれません。時間が無い人は10分だけでもいいですし、トレース元絵を簡単なものにしてもいいですよ。

1度トレースしてみて、自分のケースに似たケースを参考にしてみてください。

もしこの方法をやってみたとか、やり続けた結果こうなりましたみたいな成果をTwitter(@HOSHI_NO_SHIHO)のDMとかで教えてもらえると嬉しいです。アドバイスとか添削も希望があったらやりたいと思います。

よくあるケース

段階1

割とガチの初心者にありがちな構図です。描きやすい胸より上までしか描けてませんね。最初は描いてみるという心意気が大事です。しかし自分が描いたことのない部分もしっかり向き合い描きましょう。

またアイスの位置がかなりズレてますね。次回からはなるべくトレース元の全身を描けて、どこに何があるのか位置関係も考慮して描いてみましょう。

しかし肩が右下がりに傾斜していて、元のポーズを再現できているのは良いです。

 

段階2

チャレンジ精神が強めだとこうなります。今回のイラストはかなり全身を描けていて良いですね。前回の反省点を活かし、アイスが口元にまで来ています。

ここで課題になってくるのがスカートと服のシワになってきます。それぞれ大変難易度が高くかつ、イラストのクオリティに関わってきますので、省略して問題を後回しにせずに正面から向き合いましょう。アイスを持つ指もそうです。

ただ描き慣れない難しいものを下手であっても描こうとする姿勢は大事ですので、ここまでできていれば相当見込み有りだと思います。

 

段階3

ここまで描けるならかなり上手い部類だとおもいます。スカートと服のシワを描きこめて良いですね。指もそれぞれの太さが比較的同じになっていて指らしくなっています。

しかし頭、アイスとそれを持つ手、胸、腹、足、かかとを持つ足、上着の順に描いたせいか、長く描けてしまったアイスを持つ手に引っ張られ胸と腹と、それ以降のパーツが全体的に長くなってしまい画面に収まらなくなってしまいました。

これはバランスが崩壊していて、元の絵に近いとはあまり言えませんね。

ただここからは上級テクニックになってくるので、ここまでトレースできていればイラスト初心者は脱出していると言って良いでしょう。

 

見てトレース第2段階

ここからは今までの改善点に1つずつ向き合っていきます。つまりただ元絵を見ながらトレースするだけの訓練は終わりということです。ここからはイラストを見る上での視点の強化のような座学になります。

 

髪とシワの構造編

髪とシワに関しては物理的な話になってしまうので一緒に紹介します。

髪は髪の分け目を辿ると、頭頂部の1点からおおよそ髪の毛の多くは生えてることがわかります。しかしこのキャラの場合左の方にある髪の重なりは髪のベクトルが違くなっておりますので注意してください。

アイスを持つ手の方は、手を肘より高く上げているため重力に負けて服が下に下がっています。

 

指編

手はかなり魅力に繋がるので、ここはしっかりと抑えていきましょう。元絵の手から線画を取り出してみるとこんな感じになります。

実は指は小指と人差し指、薬指、中指、親指の順に奥になっていることがわかります。その証拠に親指が人差し指に隠れてるのはもちろん、人差し指の左の輪郭が薬指に隠され、薬指の左の輪郭が小指に隠されています。

こうして輪郭の一部を他の物で隠すと位置関係に説得力がでます。この絵に関しては、指がどういったポーズを取っているかが見た人に伝わりやすいです。

 

スカート編

先程は元絵を見てとりあえず線を描いていたと思いますが、構造を理解、ラフ画を通してスカートなど複雑なものを描くと現実感が出て説得力が出てきます。よってここではスカートの構造をお話します。

スカートは線画のみを見るとウェーブしながらジグザクしているのですが、見えるスカートの裏地には規則性のようなものがあります。

スカートの折り目の左の少し離れたあたりから裏地の折り目が実はでています。スカートの中身が描かれないのは当然ですが、実は中はこのようになっています。

先程のトレース3枚目も、この点を抑えていればスカートらしさがでますよ。

 

バランス編

このキャラクターの体の動きをよく見ると、少しひねりが加えられていることがわかります。

ステップ1での絵を見るとほぼ一直線の棒立ちをしているので、この絵の魅力をトレースできなかったのだと思います。

トレースすることは線の描き方を学べる他、魅力の出し方も学ぶことができますので再現しましょう。

 

顔パーツの配置編



(補足)上着

好きなキャラなのでこの絵を選んでしまいましたが、模写している人はこいつの上着を見てなんだこれと思ったと思います。

ハッキリ言ってアイスを持ってない方の手の服のシワがなぜこうなってるのか、分かりにくいと思いますので解説します。(この絵を模写することで得られる成果にこの複雑な方の腕の服のシワはあんまり関係ないので最悪しっかり描こうとしなくても大丈夫です。)

まず恐らくですがこのキャラクターの上着はこの服だと思います。この服を来ていたという前提で解説をします。

恐らくこの外側に大きく飛び出している部分はエリにあたる部分で、そのエリを隠しながら腕の後ろから出ているのが前立てにあたる部分でしょう。

あまりトレースに関係ありませんが、モヤモヤを解消して自分の中で補完することもクオリティアップに繋がることもあります。

 

見てトレース第3段階

続いては第3段階です。第1段階では元絵をそっくりに描くための理想の線を描く練習。第2段階では理想の線に説得力を含ませる知識。第3段階では今までを全て総合した内容になります。

第3段階で思うようにいかなかった場合はまた戻って見直し、また挑戦するといったことを繰り返せば、良い練習になると思いますね。

ここからは1つの絵を1枚の紙だけでなく、3枚ほど使って1つの絵を作っていきます。

 

服の中にある体を見る

この絵は当たり前ですが服を着た女の子を描いています。服のシワなどはその中にある体の動きに依存していますので、体がどのようになっているのかを理解している必要があります。

服に隠れている部分を補完すると大まかにこのようになっていると思います。頭と肩幅の差がそこまでない子供のような体型であることがわかります。

つまりこの絵をトレースする場合、肩幅を狭くし、成長発達的に腰もそこまで横幅をとらないように描き子供らしさを表現することが大事になるということです。

アタリをとる

次にアタリをとります。アタリとはどこに何があるのかを大まかに理解するための目安のようなものです。 

段階1ではとにかく線を描こうと思っていたかもしれませんが、今度は腕などの形をバランスよく描くために、ある程度の基準を作っておきます。

 

ラフを描く

今度は先程のアタリを元にラフを描いていきます。ラフとはさらに先程のアタリを詳しく描いた、大まかな形になります。

こうすると段階1の頃よりも遥かに元絵に近づけたと思います。今回はラフなので何回も線を重ねて汚くしてしまって大丈夫です。

線画を描く

最後に先程のラフを元に線画を描いていきます。

先程線を重ねて描いた所から、最適な線を選んでそれをなぞるイメージで、キレイな線を描きます。

少し線を重ねてしまいましたが、こんな感じですかね。

目がちょっとバランス悪かったり、線がはみ出してしまっている部分を修正するとこんな感じになりました。

一応目だけ塗ったりして元絵の表情を再現してみました。

元絵トレースを経て身につく能力とは

練習お疲れ様でした。自分の描いた絵を保存してある方は最初に描いた絵と今描いた絵を見比べてみましょう。随分変わったんじゃないかなと思います。

さてここまでトレースをしてきて、実はある能力をこの練習をした方は手に入れることが出来たと思います。それは何かというと、ズバリ

  • 描きたい線を描く能力
  • 魅力を再現する能力
  • 手や表情、ポーズのバリエーション

ですね。最後だけ能力ではありませんが、とても大切なものです。順番に解説していきます。

まず1つ目の描きたい線を描く能力ですが、今まで頭の中で描きたいキャラクターは思い浮かべても、何か画像を見て描いても、思い通りに描けないといった経験があったと思います。

しかしこの練習を通して、見本の絵をだいたい正確に写すことができましたよね。これは自分が描きたい場所に、適切なバランスで線を描けているというこです。これは頭で考えた構想を出力するために必須な能力になります。

段階1で話しましたがこれは胸から上までしか描けていませんよね。これは元絵を再現して描こうとしてもバランス感覚があまり培われておらず、どこに何をどのくらいの大きさで描けば見当がつかないからです。

しかし反復練習とアタリによる補正によって、ここまで描きたい線を作ることができましたね。

2つ目の魅力を再現する能力に関しては、かっこいいイラストを描こう!と思っても実際は棒立ちでキリッとした表情の棒立ち人間を描いてしまったなんてことが今まであったと思いますが、この練習を通してかっこいいとは?かわいいとは何か?を他のイラストから学習し、それを己のイラストにも反映できるようになったと思います。

今までは棒立ちで、ポーズに表情が無く無機質な印象を与えるイラストだったと思います。

しかし元絵の印象がキャラクターのポーズにあることを理解し、無事ゆったりとリラックスしていることがわかるようなポーズを再現できたのではないでしょうか。

3つ目のバリエーションに関しては、今までは正面顔だけであったり、そもそも手が描けないことがあったと思います。しかしこのイラストをトレースすることで、このイラストに使われている顔の角度や表情、手のポーズが自分のレパートリーになりましたよね。

今回学べた手や顔を応用して、このようなオリジナルを作ることもできるようになります。こうして自分の創作に繋げていきましょう。 

【応用編】おわりに

今まで学んだことを総動員して、今回トレースしたイラストの表情を変えたり、手のポーズを変えたり、もういっそ腕の位置や脚の開き方などを変えてみましょう。筆者も個人的アレンジをしてみました。

どうでしょうか。元のポーズはそのままに、アイスではなく指差しにして、下ろした手にはパンティーを持たせました。そしてスカートもそこまでブワッとめくれずに、落ち着いている一方で上着は派手に動かしました。

正直いうと、スカートが大変難しくアレンジを加えて違う動きにしようと思ってもここまでが限界でしたwしかし元絵の魅力であるパンチラを消す一方で、パンティーを脱いでいるからあえて見せていません!と描けないことをさもアイデアであるかのように魅せる判断も時として必要になります。

結果として、パンティーを持っているが、見えそうで見えないスカートの中は一体!?とドギマギしているこちらをからかうようで、どこか照れてもいるかのような表情が、元絵そのままの体のひねりから感じるリラックス感を、男友達に見せるふざけ混じりの誘惑ポーズに見せていますね。

以上になります。色塗り編はそのうちだすかもです。お疲れ様でした。