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【ネタバレ有無感想】巌窟王レビュー

最近巌窟王というアニメを見ました。あのモンテ・クリスト伯の物語を巌窟王として日本語訳されたことでお馴染みのあの巌窟王です。

古風な雰囲気のあるアニメを見たかったので今回巌窟王を観ましたので感想を連ねていきます。

 

ネタバレ無し感想

作中の雰囲気について

作中の雰囲気がすごく不思議で、lainのアニメを観てるみたいな感じが連続します。まず彩色がやばい。基本的に顔と手、服の一部だけが塗られていて、他の部分はテクスチャが透過されてるみたいな感じで、ちょっと説明するのが難しいです。

巌窟王の原作自体かなり昔の作品で、古風な部分があるのですが、本作品では近未来なSFチックな表現を多用しています。ストーリーの大筋に干渉しない程度に。

 

貴族の意味

貴族であることが何を意味するのかがよく描かれていてよかったです。貴族とは華やかな食事や衣服など煌びやかなイメージを持ちがちですが、そこを描きつつちゃんと嫌な部分も描いていて、かつ主人公が貴族であることにあまり肯定的でなくなるのもよかったです。

 

同性愛だった

これは感想というより注意喚起的な話なのですが、大きな愛というテーマも本作品には含まれています。それは異性愛を超えて、種族や善悪の垣根を超えて愛するという規模が大きめのテーマが含まれていて、そこには少なからず同性愛も含まれます。

そんなこともあり本作には同性愛の中でもBL描写があり、古風なファンタジーだけを観ようとしている人は注意してください。

 

ネタバレ有り感想

巌窟王の原作のあらすじがもうネタバレ

この作品を見る時、私は本当に巌窟王について何も知りませんでした。このアニメにはもともと原作として巌窟王があり、その原作もまた存在するとは聞いてましたし、FGOというゲームにも巌窟王と言うやつがいてある程度ビジュアルは想像がついたのですが、厄介なことにこのアニメと原作巌窟王の視点は違っており、よってストーリーも異なっていました。

まずこのアニメはアルベールという少年が主人公で、アルベールがモンテ・クリスト伯と出会うことで始まる数奇な出来事との遭遇がストーリーの大筋であり、実はモンテ・クリスト伯にはある秘密があった、といった感じです。

つまり私たちはアルベール視点で、謎の人物モンテ・クリスト伯の正体を暴いていくストーリーを見ていくのですが、この正体が原作では最初から明かされています。

原作ではモンテ・クリスト伯が主人公であり、自分を無実の罪に陥れた3人の男達へ復讐するお話というあらすじがあります。なんと原作ではモンテ・クリスト伯の行動原理は復讐にあり、数奇な出来事の原因は彼にあったということが最初から明かされており、アニメを途中しか見てないのに原作の出自を知ろうとWikipediaを見るとあらすじの段階でネタバレを踏んでしまうという、ガー不です。


自分を巌窟王と自称する理由

ここからは考察になります。モンテ・クリスト伯ことエドモン・ダンテスは終始自分は巌窟王であると話します。それはなぜかというと、エドモン・ダンテスは幽閉され死ぬも自分を陥れた3人に復讐をするために生きねばならなかったため、不死身の体を手にする代わりに巌窟王に体を乗っ取らせていたのでエドモン・ダンテスでありながら巌窟王という状態であったからです。

しかしアルベールと関わる中で、自身の復讐によって自分と復讐相手以外にも悲しみの連鎖を巻き起こすことを知ってしまいます。復讐相手の子供たちにも結果として手をかけてしまったことで、アルベールたちに悲しみを与え、関係無い人たちの命を奪ってまで何をしたいのかと問われます。

そこから自分の復讐に疑問を持ちますが、巌窟王と契約した以上もう自身の復讐を止めることはできません。だから自分は巌窟王だと自称することで、自分の意思はそこには無いと言いたかったのでしょう。

しかし物語終盤で、復讐を巡って自分の友人を殺され、家族をめちゃくちゃにされたアルベールはそれでもエドモン・ダンテスのことを愛していると、行動で示します。それはアルベールの友人である亡きフランツの遺言にあった復讐は何も生まないということから、エドモン・ダンテスの復讐をやめさせるために、その復讐によって起きた悲しみを踏まえてもなおエドモン・ダンテスを嫌いにはならないということを示していたと思います。