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おふざけ ツイ(@HOSHI_NO_SHIHO)

【辛口レビュー】物語シリーズセカンドシーズンを許すな

どうも、物語シリーズを見る順番をトチったが故に間違えたバカです。実は最近物語シリーズセカンドシーズンを見終えました。

これは放送順でいうと化物語偽物語猫物語の次に来るもので、自分は猫物語の次に偽物語を見てしまったのですが、正直間違えたことのショックよりデカいショックがセカンドシーズンにはあったのでここに記します。

 

【ネタバレ無し感想】ふざけるな

まずセカンドシーズンは面白かったです。これまでの物語シリーズの点数を付けるとすれば化物語90点、偽物語70点、猫物語85点、そしてセカンドシーズン80点でした。

これは話そのものの構成や演出とそれに対しての反応だけを評価していて、OP曲などは評価対象にはいれてません。

まず化物語はかなり面白いなと思いました。しかしセカンドシーズン、これはなんだ?化物語の続きということでこの後どういう怪異を通じたハプニングが起きるんだろうとワクワクしながら見ていましたが、シリアスさが化物語を超えてるなと感じました。はっきり言うと心臓に悪すぎる。

正直化物語では阿良々木がぐちゃぐちゃにされて血まみれになるシーンが度々でてくるのですが、半分吸血鬼故のフィジカルがあるためまあなんとかなるでしょという軽さで阿良々木がいじめられるシーンは見ていられましたが、セカンドシーズンはダメでしょ。別の嫌さがある。

おもしろいんだけど化物語偽物語との落差がでかすぎ。猫物語化物語であった回想をより詳しく描いてたこともあり、どういった内容なのかはほとんど化物語で語られていたし雰囲気は化物語だったので何も感じませんでしたが、ただしセカンドシーズンテメーはダメだ。

これは五等分の花嫁2期みたいに、自分がどう感じても必要な演出なんだ、そうだ、これは必要なんだと思い込むことでなんとか平静を保っております。

詳しいことはネタバレになるので言えませんが、なんでこうなった?と言った感じです。

 

【ネタバレ有り感想】ふざけるな

5話構成のつばさタイガー化物語猫物語以降の羽川の成長が見れてよかったです。それにブラック羽川との関わりも良くて、交換日記みたいなことする下りは結構くるものがありました。

しかしまよいキョンシーしのぶタイムひたぎエンドは結末がかなり自分の中で賛否が巻き起こりましたね。

 

まよいキョンシーについて

まずまよいキョンシーはタイムスリップをする話ですが、阿良々木が夏休みの宿題をやっていなかったために過去に戻りたいというかなり軽い動機でのタイムスリップ、タイムスリップ先がたまたま八九寺の事故死前で、助けよう!となりイイハナシダナーと思ったら八九寺が生存したことで世界が崩壊してたのがキツかったです。

世界が崩壊した理由がつばさキャット時点で忍を見つけられず、結果阿良々木と絆を深めることが出来なかったことというのも悲しいですが、さらに阿良々木が言っていた八九寺生存=世界崩壊を「まるで八九寺がこの世界に必要無いみたいじゃないか」というセリフで表していたのも悲しかったです。

確かに八九寺が死んだ世界線はふつーに人類が生きていて、逆に八九寺が生存していれば人類滅亡というのはそういうことなのですが、八九寺自体が明るくギャグキャラであったこともありキツかった。しかも生存して大人になった八九寺も笑顔でありながら崩壊した世界でなんとか生き延びようと必死な感じが感じ取れてしまいそれも辛い。

なんとか世界を修復し、元の時間軸の八九寺に、生き返りたいか?とか阿良々木が聞いた時にそんなことはないですよ!と答えたのが救いでしたが、IF世界線にしてはキツすぎだろ。

 

しのぶタイムについて

しのぶタイムは謎の「くらやみ」に阿良々木たちが追われる話なのですが、この「くらやみ」は怪異としての役割を果たさなくなった怪異を消すための存在らしく、過去に吸血鬼をサボった忍を襲ったりしてました。

八九寺も迷い牛として人を迷わせることをしなくなり、怪異としての役割を果たさなくなったために「くらやみ」に追われていたのですが、迷い牛でありながら人を迷わせることを拒み成仏を望む八九寺と、人を迷わせることなく現世に八九寺を留め、「くらやみ」から逃げ続けることを選ぶ阿良々木の葛藤がキツかったです。

確かに阿良々木の言っていることは八九寺を救えるかもしれませんが、阿良々木を待ち望む戦場ヶ原や羽川らを裏切ることになるという八九寺の指摘から、阿良々木は八九寺が消えることを止められませんでした。この八九寺を選ぶか八九寺以外を選ぶかみたいな究極の2択が前述したまよいキョンシーを連想させ、公式は八九寺が嫌いなのか???と思わず考えてしまいました。

また「くらやみ」は本編で嘘を嫌う存在という説明がされており、この嘘というのは役割を持つことで現世に現れる怪異でありながら、その役割を放棄しても現世に留まり続けるという八九寺ら矛盾した怪異たちのことで、「くらやみ」はこの矛盾した怪異を消すという意味です。

この八九寺が居なくなる下りを阿良々木が高校にて忍野扇という人物に話すのですが、扇も自身が嘘を否定する存在であると話します。この嘘を否定するという言葉をあえて出すあたり、扇と「くらやみ」は深く繋がっていることを暗示しているとわかるのですが、この一件があり扇へのヘイトが高まった視聴者は自分だけではないのではないかと思います。もし扇が「くらやみ」を生み出していたとかだったら、、、

というかこの話はぶっちゃけ必要か?と思ってしまいました。「くらやみ」は嘘をつき現世に留まる怪異であろうとしない怪異を消す存在で、それは怪異とかでもなくこの世のルールというのはわかります。しかし今までそういった現象があることの伏線は無かったように思えるし、突然そういう設定を追加されて八九寺を意味もなく消された気分です。

確かに八九寺がこの世に留まる原因を解消したのになんで成仏しないの?という謎は化物語からあって、まあいいか!って感じでストーリーが進行してたのでいつかこれが伏線として回収されて欲しいなとは思ってましたが、この「くらやみ」はこの謎を解明してなくないか?と思ってしまいました。

 

ひたぎエンドについて

ひたぎエンドはすごく良い話でしたね。怪異化した撫子をなんと元凶の貝木泥舟がお祓いをするという話なんですが、ここで貝木と戦場ヶ原の関係と過去に触れるところや、撫子に追い込まれた貝木の現代人にでも刺さる名言のオンパレードがかなりシビれました。あとOPが途中かなりレトロなものになるのですが、映像がおもろいのにボーカルの貝木があんまり乗れてないのがおもろかったです。

戦場ヶ原から撫子を騙すよう依頼された貝木は、本編で正体不明の人物と臥煙に千石撫子の件から手を引くようそれぞれ警告されるのですが、正体不明の人物は実は戦場ヶ原で、手を引けと言われると手を引かなくなる貝木の人間性を見据え、撫子を確実に騙させるための策であることが貝木自身から語られています。

しかし臥煙からの警告は、おそらく戦場ヶ原と同じ意味の警告ではなく、本当の意味での、貝木の身を案じての警告だったのだと思います。それは怪異に取り憑かれた中学生に貝木がひどく頭を殴られ意識が無くなるところで物語が終わることからそうだと考えられます。

ここがかなりキツいです。偽物語では徹底して嫌な奴として描かれていた貝木が、セカンドシーズンでらしくないことをすると言われていたように本来の目的である金を度外視して、戦場ヶ原のために行動し、その行動原理を説明するところからも貝木の株が爆上がりしたのですが、そんな貝木が撲殺されるのは見ていて心が痛かったです。

また殴られ薄れゆく意識の中で、千石撫子が扇さんという人物に騙されていたことを語っています。貝木は扇さんという人物が誰かわかっていませんでしたが、実はひたぎエンドに入る前に忍野扇という人物が登場しています。

恐らく最後に出てきた中学生も扇の影響で貝木の場所を突き止め、怪異に取り憑かれ、貝木を殴ったのだと思います。

この扇はしのぶタイムにて八九寺が消えた原因と深く関わっていると考えられ、今回の貝木が撲殺された件も同じく関わっているとも考えられるためやはり扇へのヘイトが高まります。

確かに物語序盤から結構上手くいきすぎてた感はありました。千石撫子とも貝木は打ち解けられていたように見えたし、戦場ヶ原らの上手く騙せるのか?という疑問に対しても確実に上手くいくと自信を持って言っていました。あの貝木がそう言うのですから自分は貝木が言うならそうだろと思って見てました。こうして上手くいきすぎてるために流石に最後にどんでん返しあるだろと思ってはいましたが、まさかこうなるとは思ってませんでした。

今はいない忍野メメから得られる得体の知れない男からしかとれない成分を、代わりに与えてくれる貝木はもう出てこないんだ…とここでかなり胸が痛くなるのですが、次の話のするがデーモンで普通に出てきます。生きとったんかいワレェ!!!!しかも神原より速く走ったりと全然体もピンピンしてます。

まあ髭が生えてたり、神原も3年生になったり、あれからかなり時間が経っているのは見て取れるのですが、なんで貝木が生きてるんだよ…そりゃ嬉しいですけどまるで殴られて死んだかのような終わり方にするなよ…

まあ八九寺が消えた衝撃がでかかったこともあり少しは耐性があったのでした。

 

セカンドシーズン総合感想

物語シリーズセカンドシーズンということもあり、第一シリーズである化物語の続きでありながら各キャラクターの成長あるいは消滅を描き化物語を完結させようという意図を感じます。羽川も自分の感情との折り合いがついたし、八九寺も怪異としてのあり方を見つめ直すことができたし、千石撫子も自分の意志がなんなのかを考えることができたし、神原も自身の怪異と宿敵との決着をつけることができた。非常に良かった。

さらに今後の物語シリーズを動かすであろう忍野扇を新キャラとして登場させ、立ち位置を紹介するのも意図だったのかなと思いました。扇は全体として貝木を超える真の悪役として立ち回っていますので今後は阿良々木たちと扇の対立が描かれるのでしょうね。

ただそういったものを描くための代償がでかすぎる。めちゃくちゃ好きだった八九寺を消したことも、貝木をあの場面でめちゃくちゃにしたことも、なんならそこで死んだと思わせておきながら次の話でちゃっかり生きてるところも、かなり気疲れを起こしました。八九寺消滅に関してはご都合主義な感じがありましたね。

そこまでのめり込めてるんだから作品としてのクオリティは高いのでしょうが、怒りと悲しみを込め第一シリーズである化物語を超えない80点とさせていただきました。

ひと段落ついたことと疲れたことでしばらく物語シリーズは見ないと思いますが、みなさんも物語シリーズは面白いので見てみてください。